仕事をしながら目に映る風景

 もう、今年で10年目(2004・6・9)になりました。
当時、震災ででこぼこの道をトラックで荷物を運び今では、
考えられないような時間をかけ移動していました。
国道沿いの歩道に只呆然と椅子に座り、その眼の先には、現実ではなく
まるで絶望の谷底を覗いているよな、生気のない姿をした人が
ここそこにいたように思います。
 そこを通るたび出会う明日をなくした人達、
そんな人達も日を追うごとに沿道から一人、二人と消えていきました。

 そうこうしていますと、あちらこちらに家が建ち始めました。
中には、震災を経験したにもかかわらず、こんな柱で?こんな金物?
 信じられないような、ひ弱い家を建てていたのを何件も見ました。

 震災直後も物資の不足を言い事に途方もない値段を吹っかけていた業者が
後を絶ちませんでした。

 どうでしょう、もし、我が子がお腹をすかし今にも、力尽きてしまいそうな時・・
そこに、何十倍もの値段の食料が売っていたら・・・親ならそれを惜しみもせず
我がこのために買うでしょう、普通の値段で仕入れた物と解かっていても・・・
しかし、こんな足元を見た下司な商売 欲深い人の浅ましさが判りますね。

続く


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